モノテルペン炭化水素類

精油は大きくテルペン系・芳香族・脂肪族の3タイプと官能基との組み合わせによって特徴を大まかに区別出来ます

多くの精油に含まれますが樹木系・柑橘類果皮から採られる精油に特に多く含まれています
その他テルペン系を骨格に持つ芳香性分子は非常に多いためアロマテラピーの化学を学ぶ上ではとっても重要な存在です

テルペン系化合物はまず基本骨格のイソプレンを理解する必要があります

分子式はC₅H₈
分子量 12×5+1×8₌68

イソプレンは上記のように表され、通常は単独では存在せず2個以上が結合して存在しています
結合しているイソプレンの数によって名前が異なります

・モノテルペン →イソプレン×2個
  (C₅H₈)₂ → C₁₀H₁₆ 分子量 136
・セスキテルペン→イソプレン×3個
  (C₅H₈)₃ → C₁₅H₂₄ 分子量 204
・ジテルペン  →イソプレン×4個
  (C₅H₈)₄ → C₂₀H₃₂ 分子量 272

モノテルペン炭化水素類はイソプレン骨格が2つ結合していて分子量が136と小さいです。
分子量が小さいということは揮発性が高く、皮膚への浸透もしやすいと考えられます。

公表されているモノテルペン炭化水素類の主な作用
鬱滞除去作用+++
抗炎症作用+++
コーチゾン様作用+++
 (糖質コルチコイドが分泌された時と同じような働きで
 アレルギーを抑える働きがある)
抗ウイルス作用+++
抗菌作用++

多くの樹木系の精油に含まれていることから想像できるように
鬱滞除去の作用が有名です
樹木は太い幹の上の方まで、たくさんの枝の先まで根から吸い上げた水分を行き渡らせる力が必要です。
水分を押し流す力があるので、脚が、体がむくんでしまった…なんていう時に助けてくれる強い味方です!

体内の水分が滞ると老廃物が溜まってしまいます
体内の水分・血流を良くすると身体を流れる水分はいつもキレイな状態で保たれます。流れって大事ですよね

それから抗ウイルス・抗菌作用
昔からヒノキのお風呂やまな板がありますね、抗菌効果を狙ったものです
家も木造(別の理由もありますが)やタンスも桐
昔の人は樹木の持つ芳香成分も理解して使っていたんですね

モノテルペン炭化水素類に含まれる芳香分子の固有作用とその分子を含む精油の例

δ-3-カレン
 鎮咳作用
 アカマツ・ヨーロッパ、サイプレス、バルサムモミ、
 ブラックスプルース、ペッパー…

リモネン
 肝臓強壮・腎臓刺激・蠕動運動促進
 アカマツ・ヨーロッパ、フランキンセンス、リトセア、
 レモンバーベナ…

d-リモネン
 肝臓強壮・腎臓刺激・蠕動運動促進・血圧降下
 オレンジ・スィート、ベルガモット、レモン…

α-ピネン
 強壮作用
 アカマツ・ヨーロッパサイプレス、ジュニパー、
 ブラックスプルース、フランキンセンス…

β-ピネン
 強壮作用
 アカマツ・ヨーロッパ、クミン、タナセタム、ネロリ、パイン、
 バルサムモミ、ペッパー…

α-テルピネン、γ-テルピネン
 静脈強壮・鬱滞除去
 オレガノティートゥリー

p-サイメン
 鎮静作用(経皮による)
 オレガノ、クミン、タイム・チモール…

アロマテラピーを知らない方でもα-ピネンという言葉は聞いたことがある方も結構いらっしゃるのではないでしょうか
よく森林浴の時に感じる成分といって紹介されることもあります
森に行ったときに感じるあの清々しい香りはα-ピネンが含まれている事が多いです。私たちは知らず知らずのうちに名前や効能は知らなくても香りは嗅いで経験しているんですね

モノテルペン炭化水素類を含む精油は本当に多い
そして全体的に癖が強くなくて使いやすく、鬱滞除去作用があるのでむくみやすい女性にはうってつけ
血液や体内の水分の滞りは万病の元だと思っているから、しっかり流れを整えるのに活用していきたい分類ですね

オレガノ

Origanum compactum
シソ科、花と茎葉、水蒸気蒸留法
モロッコ

新型コロナウイルスが猛威を振るう中、活用していきたい精油のひとつ

ハーブとして有名で、知らず知らずのうちに口にしている方も多いと思う
抗寄生虫作用、抗菌・抗ウイルス・抗真菌作用などが強くヨーロッパでは特に肉料理の時には欠かせないハーブとなっている

肉料理、特に煮込み系にはほぼ入っていると言っても過言ではないかも

私はイタリアで各地を巡った時、特に北の方は結構肉食なのでオレガノに触れる機会は多かった。

大体こんな乾燥した形で売られているのが一般的
あとは自宅の庭やプランターで育てられてた

市場でもスーパーマーケットでも売られていてかなり身近なハーブでみんな使いこなしていたし、その役割もみんな理解して使っていた

ラグーを作るときは必ず入れる
簡単なのに店っぽい味になって褒めてもらえるの

さて、このオレガノ、シソ科で可愛らしい花を咲かせます
葉や花を見るとシソ科だなっていうのがよくわかります。

主要有効成分
フェノール類:
 カルバクロール 20-50%
 チモール    15-25%
モノテルペン炭化水素類:
 γ-テルピネン  10-30%
 p-サイメン   10-25%

まずフェノール類だけで約50%前後を占めるので強い抗寄生虫作用が期待できます。同じく抗菌・抗ウイルス・抗真菌作用、強壮・刺激作用、免疫刺激作用など。

昔は今ほど生鮮食品も鮮度が良くなかったり寄生虫がいたり…今よりお腹を崩すリスクが大きかった中、肉食文化のヨーロッパの中でオレガノが食事の中で定着したハーブの理由がよく分かりますね。

精油の特性
抗感染作用+++++
抗菌作用++++
刺激作用+++
(↑↓身体・精神・性的全てにおいて)
強壮作用+++
免疫刺激作用+++
抗寄生虫作用(内部)+++
抗ウイルス作用+++
抗真菌作用+++
抗菌作用+++
殺菌作用+++

見事に感染症対策としては欲しい特性が並んでますね

フェノール類でも十分強い抗菌・抗ウイルス・抗真菌作用を持っていますが、もう一つの主要成分のモノテルペン炭化水素類にも抗ウイルス作用・抗菌作用がありますので各種感染症の予防にはうってつけですね

主要適用例
感染症の鼻の疾患++++
アレルギー性の鼻の疾患++++
気管支炎++++
流行性感冒++++
副鼻腔炎++++
感染症下痢++++
尿肝炎++++
膀胱炎+++
細菌性・ウイルス性症候群+++
神経性極度疲労+++
ニキビ+++
真菌症+++
など・・・

香りの印象は良くスパイシーでハーバル系なんて言われますが、私は特段スパイシーとは感じず、“薬品”って感じの印象。でもそこまで強い香りではないので他の好きな精油とブレンドすれば意外と日常使いできると思います

実際、新型コロナウイルスという見えない恐怖に晒されている今、オレガノとクローブ、ティートゥリー、ラベンダー・アングスティフォリアをブレンドしたオイルをマスクに付けてウイルス対策をしています。
花粉症で鼻の通りが悪い方はブレンドを変えてベースはオレガノとクローブのまま、ユーカリ・グロブルスやラヴィンツァラを加えるのも良いと思います。

精油はウイルスのエンベロープに作用し無能化する効果があると認められています

あとは、精油でなくとも、ハーブウォーターでもしっかり効果が認められています。(精油とは違い親水性の芳香分子が溶け込んでいるので認められている特性などは精油と違います)

ハーブウォーターはお肌に近いpHで低刺激、原液で使えます

特に女性、ストレスなどでデリケートゾーンが荒れてしまったり、痒くなったり…そういった時はオイルでは刺激が強すぎる場合があるのでウォーターを使ってケアするのもとっても効果的です。
ニキビ症の方もお風呂上りにクローブウォーターをまずお顔にかけてからいつものスキンケアをしていただくと抗菌作用でニキビケアにもなります(ニキビの原因にもよりますので、できれば皮膚科で早めに診てもらってくださいね)

また、精油が手元にない方も、ブレンドするのが面倒な方も、オレガノは食べられるハーブでもあるので、精油でなくてもお料理に入れることで体に取り入れられます。

基本的にどんなハーブも体に良い物ばかり。いろいろ取り入れてくださいね

直接体の中に取り入れることによってお腹の中から免疫向上!
お腹の調子が良ければ各種感染症にもかかりにくいんですよ
後は精油を植物油とブレンドした錠剤も売られています。感染症対策に定期的に服用されている方もいらっしゃり、こちらも便利(薬ではなくサプリメントなので健康補助食品として摂取できます)

それぞれのライフスタイルに合った方法で是非とりいれてみてくださいね